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千歳地区の交流活動の拠点、楽らく広場「ひょうたん」。しかし、高齢化が進むなか、どのようにして参加者を増やし、皆さんに生きがいや地域の絆を感じてもらえる活動を行うのかが課題となっていた。そこで、NBU経営経済学科の「こども・福祉マネジメントコース」のメンバーが福祉関係の学びを活かした企画に取り組むことを決意する…。

福祉の視点を活かした
レクリエーションを企画。

「ひょうたん」の皆さんと地域の子どもたち合同でのレクリエーション。 ▲「ひょうたん」の皆さんと地域の子どもたち合同でのレクリエーション。

NBU経営経済学部経営経済学科「こども・福祉マネジメントコース」。学生たちは、大学内外を問わず、子育てから高齢者の問題まで、幅広い視野から福祉のあり方を学ぶことや地域共生のために必要となる知識・スキル・マネジメント力を養うことで、つながりある地域社会の実現に貢献できる専門職を目指している。その取り組みのひとつが、豊後大野市千歳地区にある、市民交流の場である楽らく広場「ひょうたん」での活動サポート。「ちょっと寄り道…こころとからだが軽くなる場所」を目指し、地域住民が集まって一緒に体操をしたり、お茶を飲んだり、レクリエーションなどを行っていた。しかし、参加者減少に対する不安解消や、地域のつながりが生まれる活動内容の検討などの課題に直面していた。そこで、こども・福祉マネジメントコースの学生メンバーによる継続的サポート活動がスタート。まずは、週替わりで行われるレクリエーション活動を学生が主体となり企画・立案することで、楽らく広場「ひょうたん」を地域づくりの拠点として活性化していくチャレンジが始まった…。

「ひょうたん」1周年ではお面をつけた踊りで会場は笑い声につつまれた。▲「ひょうたん」1周年ではお面をつけた踊りで会場は笑い声につつまれた。
牛乳パックを使って、参加者の皆さんと一緒に 小物入れ作り。▲牛乳パックを使って、参加者の皆さんと一緒に小物入れ作り。

失敗や挫折から学んだ
自分でやることの大切さ。

メンバー全員で考えたレクリエーションをはじめて地域の皆さんに届けた日。学生らの表情に笑顔はなかった。「ゲームのルールが分かりにくい」、「司会をする学生の声が小さい」、「視力が低下している人が楽しめない」など、参加者からも運営スタッフからも厳しい声が寄せられた。レクリエーションを企画するうえで、本当に相手の立場で「楽しむ」ことを考えていただろうか。無難に進行することだけに注力して、雰囲気づくりや参加者とのコミュニケーションをおろそかにしていなかっただろうか。大学に戻り、もう一度参加者の視点に立って、ゼロから本気で話し合う。試行錯誤を重ねながら、毎月1回、レクリエーションのために「ひょうたん」に通い続ける学生たち。やがて一人ひとりに少しずつだが確実に変化が見え始める。ゲームを始める前に、おじいちゃん、おばあちゃんにリラックスしてもらうために世間話をしたり、膝をついて相手の目を見てコミュニケーションをとる。他人まかせではなく、自分もやらないといけないという意識が芽生えたことで、大きな声で人前でうまく説明ができるようになり、スムーズに進行もできるようになってきた。
 一年後、参加者へのアンケートでは、「話したり、笑うことでからだが軽く感じる」、「若いパワーをもらえるから、大学生が来る日が楽しみ」といった嬉しい声をいただいた。活動当初は、消極的で、誘われてやっているという感じだった参加者が全員、積極的にレクリエーションを楽しんでいる。大きな変化と手応えをメンバーは実感していた。ける風や、のどかな風景を満喫できると思う」。8チームの動画と発表内容をひとつにしたプレゼンムービーがついに完成。九州広域観光シンポジウムで発表の時を迎えた。

毎回、イベント終了後すぐに行なっている学生たちの反省会。その日の反省点が次回に活かされる。 ▲毎回、イベント終了後すぐに行なっている学生たちの反省会。その日の反省点が次回に活かされる。 

学生だからできる、
世代間交流の橋渡し。

定期的な訪問を続ける中で、地域づくりのために必要な課題も明確化する。現在、参加者は高齢者の方が多いが、将来的には世代を超えたつながりづくりの支援が必要ではないかと考え、世代間交流の機会を検討。学童保育と合同で開催した花見大会では、孫のような子どもたちと一緒になって楽しむ高齢者の皆さんの笑顔が弾けた。元気よく走り回る子どもたちと、ともすれば自分の話に夢中になりすぎるシニア世代の仲を、中間世代の学生がバランス良く取り持つ姿が印象的だった。また、当日、イベントに参加できない人とのつながりを支援するために、モノを介した絆づくりを実践。世代間交流においては、幼稚園児にメッセージ入りの人形をプレゼントして、保護者にもそれを見てもらうことで、地域づくりの大切さを理解してもらえるようにした。

コツのいるゲームに参加者の皆さんも大盛り上がり。▲コツのいるゲームに参加者の皆さんも大盛り上がり。
イベントの成功に向けて、事前の準備もしっかり行う学生たち。▲イベントの成功に向けて、事前の準備もしっかり行う学生たち。

参加者との一体感が、
地域を元気に変える。

クリスマス会には地元の幼稚園生も参加し、笑顔でいっぱいに。▲クリスマス会には地元の幼稚園生も参加し、笑顔でいっぱいに。

「ひょうたん」のサポート活動も2年目を迎え、参加者の要望やニーズをより把握したイベントの企画に取り組む学生たち。学生が考えたアイデアだけではなく、参加者自身がやってみたいことをカタチにすることで、参加者と学生との一体感が生まれている。参加者の中には、レクリエーションで紹介したモノづくりを自宅でも行う方もおり、それを誰かにプレゼントすることで、誰かのために役に立っているという社会的役割の創出や、本人の生きがいにつながっている。また、彼らの活動は、大分県内の地域へも広がりつつある。さらに、学生企画の「手づくりけん玉づくり」が新聞などのメディアを通して紹介されるなど、「ひょうたん」でのさまざまな取り組みは、県内の小規模地域のいきいきサロンなどへの広がりを見せている。
 地域住民と大学が協働して何ができるのかを考え、実践する。そこから地域のつながりが生まれ、住民が主体となって地域に想いを寄せた活動が続いてゆくその日まで…。学生がサポートできることはまだまだたくさんあるようだ。

細かい作業では学生もサポート。▲細かい作業では学生もサポート。
コミュニケーションを通して、学生と参加者の距離も自然と近くなった。▲コミュニケーションを通して、学生と参加者の距離も自然と近くなった。

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