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プラズマ技術を応用した植物の生長制御、高齢化が進む農業の現場で活躍するアグリロボット、オリジナリティ溢れる水中観測ロボット…。NBU工学部では、知的好奇心による研究と社会に貢献する研究の両立を目指し、個性豊かなアイデアで大分の未来の暮らしを支える、先進的なものづくりへ挑戦しています。

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pj1_img1▲①水中放電/②手に照射/③かいわれの種に照射。プラズマを照射したかいわれは、照射なしのものより大きく促進したことが分かった。

豊かな自然と大地に恵まれた大分県では、農業が盛んに行われてきた。しかし、農家数は年々、減少傾向にあり、農業従事者で40歳未満の若者が特に少ないのが現状である。高齢化が進み、跡継ぎ不足が大きな問題となっている今、農業の新しい可能性を模索し、これまでにないスタイルを見出すことが求められている。
そんな中、機械電気工学科の川崎研究室では、蛍光灯やパソコンに利用されているプラズマ技術に注目。植物の生長過程では、化学反応が活発に行われているが、そこにプラズマを照射する「プラズマ農業」の研究に取り組んでいる。農業の世界では昔から、「雷が発
生すると稲が盛んに育つ」という言い伝えがある。これは、大気中の雷から発生した科学種が肥料になると推測されているからだ。プラズマ農業では、プラズマを照射することで、植物の生長を促進し、収穫時期を早めたり、栄養素の高い野菜づくりを目指している。また、電力消費が少ないというプラズマの特性を活かした水耕栽培などのエコロジーな農業スタイルも研究・検証している。「今はまだ大学の研究室内ですが、今後は大分県内の農業の現場とも連携を図りながら、地域農業を活性化させるプラズマの可能性を追求していきたいです
ね」と川崎敏之教授。
プラズマ技術を農業にどのように活用するのか。植物に対する悪影響や、食物として人体への安全性に問題はないのかなど、プラズマ農業の実用化には、クリアしなくてはならない数多くの課題があり、その解決には、電気、流体、生物などの幅広い専門知識を必要とする。だからこそNBU工学部は総力をあげて研究活動を続けていく。大分県の農業の明日を拓く光を信じて…。

プラズマ実験室では教授陣と学生がひとつになって、 研究に取り組んでいる。

▲プラズマ実験室では教授陣と学生がひとつになって、
 研究に取り組んでいる。

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pj2_img1▲競技中の様子。実際の農園を想定して、実物のトマトが複数吊るされている。

平成27年12月18日北九州学術研究都市で開催された「第2回トマトロボット競技会」。トマトの大規模栽培が行われている農場で、レール上に設置されたロボットが収穫を行うことを想定した大会の課題は、「10分間に何個のトマトを収穫できるのか」。自律制御、遠隔操作制御の2部門に、全国の大学・高専14チームが参加。NBU機械電気工学科の筑紫研究室は、遠隔操作部門に出場し、7位の成績をおさめた(1位九州工業大学、2位個人参加チーム、3位東京大学)。
このような大会が開催される目的は、アグリロボットの普及にある。大分県も全国の地方都市と同様に、農業人口の減少、高齢化が進んでおり、長時間に及ぶ足腰に負担のかかる収穫作業は、農家の方にとっては大変な重労働となっている。もし、収穫作業を行うことができるアグリロボットの導入が実現すれば、まさに農業の現場の救世主となるだろう。
競技ルールでは、トマトを収穫する際に、傷をつけると減点される。これは市場に並ぶ商品を傷モノにしないという、まさに農業現場の価値観に基づいている。丁寧かつスピーディーに作業を行うための動きをロボットが行うには想像以上のハードルがある。微妙な指先の角度や奥行きなどの空間認識など、人間が簡単にできる動作もロボットだとそうはいかない。トマトの実が密集していたり、葉に隠れているといった状況にも対応しなくてはならない。今回、筑紫研究室が半年を費やし、開発したロボットも試行錯誤の連続だったという。「研究室でつくったものが現場で使えないことはよくある話。だからこそ現場の声を大切にしなくてはいけません」と筑紫彰太助教授。
競技大会後、学生メンバーと共に豊後大野市のトマト農家に出向くと、収穫場所は足元が悪くロボットが移動しづらいこと、収穫するだけでなく、大きさの選別も必要な作業であることなどが分かった。何度も現場に足を運び、たくさんの声を聞く。ひたむきな想いと情熱があれば、アグリロボットが活躍する日は必ず訪れるだろう。

▲競技中の様子。実際の農園を想定して、実物のトマトが  複数吊るされている。

▲競技中の様子。実際の農園を想定して、実物のトマトが
 複数吊るされている。

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pj3_img1▲海流の流れが早い佐賀関の海でも自由自在に移動し、クロメの生体を記録。

機械電気工学科の稲川研究室は、「水中観測ロボットで見る佐賀関の海」をテーマに掲げた。4方向、前後左右、潜水浮上と左右旋回とフレキシブルに動く操作性の高い水中観測ロボットは、なんと独自開発。プログラムから組み立てまで全て自分たちの手で行っている。
通常、このような水中観測ロボットは複雑な操作が必要なものが多いが、今回完成させたものは、誰でもすぐに操縦できるのが特長。その理由は、テレビゲーム用のジョイスティックを改造した直感的な操作性にある。また、撮影現場での実用性を意識し、起動時間の圧倒的
な短縮も実現。電源を入れてわずか3秒でモニターがつくため、災害などの緊急時でも、5分以内にセッティングが完了し、海中へと投げ込むことができる。
大学周辺の池などでテストを行い、ついに佐賀関の海へと向かう。いよいよ、クロメ漁の水中撮影が始まった。クロメが生息する水深3~4メートルに水中観測ロボットを投下。荒波に揉まれながらもタフなボディと細やかな動きにより順調に撮影は進み、美しい佐賀関の海
に生息するクロメの姿がはっきりと記録された。当日、撮影にご協力いただいた佐賀関クロメ組合長も「水中観測ロボットでクロメを撮影したのは今日が初めて…こんなに鮮明だとは」と驚かれていた。このように、誰でも手軽に操作できる次世代社会インフラロボットが、これからも地域で役立つように、さらなる挑戦は続く。

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