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NBU佐賀関自然体験活動支援プロジェクト「Kids Smile Project」。彼らにとって夏のビッグイベント、「さがのせき海の体験塾」の日がやってきた。佐賀関地区で農業体験や漁業体験などを通じ、子どもたちの健全育成を目的に運営されている「ウミネコの会」と恊働で開催する3泊4日プログラムに込められた、学生たちの熱き想いを密着リポートでお届けします。

大学生のポテンシャルで
地域の課題を解決しよう。

saganoseki_sc1_img1▲炊飯器ではなく、飯盒を使って米を炊く。初めての学生も多く悪戦苦闘。

自然豊かな環境が残る佐賀関地区の方々が、自らの住む町の素晴らしさを若い世代にも実感してもらい、故郷を愛する心や友だちと協力して生きていく心を育んでほしいという想いから設立した「ウミネコの会」。稲作や魚釣りなどのさまざまな分野で、地域の子どもたちの良き先生となり長きにわたり活動を続けてきた。しかしながらメンバーの高齢化に伴い、参加者である子どもたちの活動をサポートすることが難しくなり、安全管理体制の再整備が必要不可欠に。そこでウミネコの会より、NBU日本文理大学に活動協力の依頼があり、佐賀関自然体験活動支援プロジェクト「Kids Smile Project」が始動。ウミネコの会の皆さんの豊富な知識や経験と、学生の新しいアイデアや行動力を融合させ、これまで田植え経験や、収穫したお米を使っての餅つき大会などの活動を通して、佐賀関地区の皆さんとコミュニケーションを深めてきた。そして今夏、ウミネコの会の恒例行事、3泊4日にわたる「さがのせき海の体験塾」が学生の全面サポートのもと開催された。

子どもが考え、動くために
頼れるサポーターになる。

saganoseki_sc2_img1▲揃いの衣装をまとい地元の夏祭りに参加。地元の皆さんも温かい眼差しで見守ってくれる。

燦々と輝く太陽の下、佐賀関の幼稚園跡を宿泊拠点にした体験塾がスタート。はじめにウミネコの会から学生へ伝えられたことは、「地元の子どもたちには、自分たちがやりたいことを考え、行動することを学んでほしい」。学生は相談役やサポーターとして子どもたちを支えてほしいというものだった。
 その想いに応え、昼食や夕食は、各班ごとに子どもたちがメニューを考えて野外炊飯にチャレンジ。班のメンバーは4歳から小学校高学年まで。調理は包丁や火などを使うため、学生は細心の注意をはらいながら彼らを見守る。「できないよ…」と弱音を吐く子どもにも、代わりにやってあげるのではなく、どうすればできるのかを伝え、一緒になって取り組む。
 また、ウミネコの会の方々が大切に伝えてきた地元を愛する気持ちを味わってほしいと、郷土の祭りにも参加。衣装や神輿を子どもたちと手作りして町内を練り歩く。海水浴や魚釣りの時間では“海岸に咲く花を探そう”、“黒い石を見つけよう”といったテーマを設け、楽しみながら学ぶ。子どもたちが自分の意志で参加し、心から楽しむ中で何かを感じ、身につけてほしい。炎天下の中でも、笑顔を絶やさず、大きな声で子どもたちを元気づける学生の姿が印象的だった。

▲班のみんなで決めたメニューをつくり、全員で「いただきます!」。それぞれの班ごとにメニューもユニーク。

▲班のみんなで決めたメニューをつくり、全員で「いただきます!」。それぞれの班ごとにメニューもユニーク。

▲ドラム缶風呂の火も自分たちで起こす。  子どもたちは戸惑いながらも、興味津々。

▲ドラム缶風呂の火も自分たちで起こす。
 子どもたちは戸惑いながらも、興味津々。

NBU生だからできる
個性的な体験プログラム。

saganoseki_sc3_img1▲エイサーの練習風景。ひとつひとつの動作を、細かく分けながら教えていく。

今回の体験塾のプログラムを決めるミーティングで話し合われたのは、学生である自分たちだからこそできること。そのひとつが、展望・天文台施設「関崎海星館」がある佐賀関にちなんだ天体教室。航空宇宙工学科の学生が中心となり、クイズを取り入れたり、普段みんなが使っているもので大きさや重さを表したりしながら、宇宙空間や惑星について説明していく。それでも話だけでは飽きてしまうだろうと、高学年には望遠鏡を、低学年・未就学児にはプラネタリウムをつくる「ものづくりの時間」を取り入れた。その夜、完成したばかりの望遠鏡を覗いて星空観察を行った子どもたちが「見えるよ!」「キレイ!」とはしゃぐ声を聞いて、学生も思わず笑顔がこぼれる。
 もうひとつの取り組みは沖縄の伝統的な踊り「エイサー」体験。プロジェクトメンバーに沖縄県出身者が多く在籍していたことがきっかけに生まれた企画だ。まず最初にエイサー発祥の地、沖縄のことを子どもたちに説明。その後、踊りで使う「パーランクー」という小さな太鼓づくりなどを行った。今回、子どもたちと一緒にチャレンジしたのは「唐船ドーイ」という曲。4日間という限られた時間で振り付けを覚えてもらえるのだろうか…そんな不安を胸に、教え方や各パートの役割についてミーティングを重ねていたメンバーたち。その成果はもちろんだが、沖縄出身の学生が「大人でもこんなにすぐにマスターできないのに…」と驚くほどの子どもたちのセンスの良さにより、見事な仕上がりを見せる。
 最終日、保護者の前で、練習を重ねたエイサーを披露。3泊4日をともに過ごした仲間との絆と心の成長を表現したかのような踊りに、観客の皆さんから大きな拍手が贈られた。
 食事を一緒につくり、ドラム缶風呂の火を起こし、子どもたちが眠りにつくまでそばにいる。その後、メンバー全員で1日の反省と明日の確認を行う。朝6時に起床し、就寝は深夜というハードなスケジュールをこなした学生たち。だが、閉塾式を迎えたメンバーの顔には疲れよりも充実感が漂っていた。「厳しさやメリハリをつけながら、子どもたちに接することは大切です。でも…」。真っ黒に日焼けしたメンバーの一人は最後にこう言った。「自分たちが楽しいなと感じたとき、ふと子どもたちを見ると、同じように楽しそうだった。それがすごく嬉しかった」。たくさんの思い出をつくった夏が終わり、次の季節がやってくる。「Kids Smile Project」と佐賀関の皆さんとの交流は、これからも続いてゆく。

▲天体教室で手づくりした望遠鏡で夏の星空を観察。学生が教えた星座を見つけ喜ぶ子どもたち。

▲天体教室で手づくりした望遠鏡で夏の星空を観察。学生が教えた星座を見つけ喜ぶ子どもたち。

▲すべてのプログラムを終えての記念写真。子どもたちも地域の方も、そして学生も、みんな仲間!

▲すべてのプログラムを終えての記念写真。子どもたちも地域の方も、そして学生も、みんな仲間!

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